国が変われば祝日や行事も違うのは当然です。そして、ここは様々な人種が暮らすアメリカ。州や地域レベル含むたくさんのお祝い行事が行われています。ここでは、アメリカの祝日やイベントをまとめてみました。
JANUARY
1月1日 ニューイヤーズ・デー(New Year’s Day)
日本と同様、新しい年を迎えた最初の日です。もちろん、アメリカでも、家族や親族、友人たちと過ごすことが一般的です。この日も、大晦日からの年越しパーティが色々な場所で開催されます。また、各地のカウントダウンや花火をテレビで観ながら新年を迎えるのもおつなものです。
日本のお正月のように、新年のための特別な行事や食事がある訳ではありません。各地で予定されるカレッジフットボールを観戦したりして、のんびり体を休めます。しかし、日本と異なり、新年は1月2日が仕事・学校初めの場合が多いのが実情です。そのため、あまりお正月気分というものを味わうことなく新しい一年が動き出します。
1月第3月曜日 マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デー(Martin Luther King Jr. Day)
1960年代の公民権運動リーダー、キング牧師の功績を讃える祝日です。キング牧師は、「非暴力」をスローガンに人種統合を訴え続けた人です。そして、困難を乗り越え、1964年に公民権制定法を勝ち得ました。そんな彼の誕生日「1月15日」にちなみ制定されたアメリカの休日です。
ワシントンD.C.リンカーンメモリアルでの「I have a dream.(私には夢がある)」の演説は有名です。20万人の聴衆を前に語られたその言葉。それは、多くの人々の心に火をつけ、時代を動かした、歴史に残る有名なスピーチです。その後、その絶大なる影響力と信頼から、ノーベル平和賞を受賞することになります。しかし、1968年4月4日に宿泊先のメンフィスのホテルで暗殺されてしまいました。
1月30日 フレッド・コレマツ・デー(Fred Korematsu Day)
アメリカで初めて、アジア系アメリカ人の誕生日にちなんで制定された祝日です。その人の名は、是松豊三郎(フレッド・トヨサブロー・コレマツ)さん。第二次世界大戦期に行われた日系人強制収容の不当性を訴え続けました。そして、後に米国政府から日系人への謝罪と補償を実現させたことで知られています。この偉大なる功績を讃え、1998年に「大統領自由勲章」も受章しました。
まず、2010年にカリフォルニア州がこの日が制定されました。そして、ハワイ、バージニア、フロリダ、ニューヨーク、アリゾナ州がその後に続きました。日本ではあまりその功績を知られていないフレッド・コレマツさん。しかし、アメリカの祝日に制定されただけではありません。カリフォルニア州では、いくつもの学校の名前として「KOREMATSU」の名が取り入れられています。
1月下旬〜2月中旬 春節 チャイニーズ・ニューイヤー(Chinese New Year, Lunar New Year)
2024年 2月10日
2025年 1月29日
旧暦のお正月を祝う祝日です。祝うのは、中国や韓国、ベトナム、シンガポール、マレーシアなどです。しかし、その他12か国と地域の出身者がこの日を祝います。チャイナタウンなどでは、正月を祝う飾り物や食品が多く準備されます。そして、1週間ほどの間、花火や爆竹が鳴り響き、獅子舞が舞い踊り新年を祝います。ニューヨーク市の公立校では、2016年に正式な祝日に認定され、休校となります。
FEBRUARY
2月上旬の日曜日 スーパーボウル(Super Bowl)
アメリカ最大のスポーツイベントの一つ「ナショナルフットボールリーグ(NFL)」。いわゆるアメリカンフットボール〈アメフト〉と呼ばれているものですね。その優勝決定戦が行われる日です。しかし、アメリカの祝日ではありません。この優勝決定戦に向け、シーズン中は毎週日曜日夜にアメフトの試合が組まれます。ファンたちは、推しのチームの試合に合わせて会場に駆けつけ応援します。また、家族や友人と家やスポーツバーで観戦しながら楽しむことも一般的です。
スーパーボウルの日は、サンクスギビングに次いで2番目に食料消費量が多い日です。イベントが近づくにつれ食料品店には列ができます。そして、ポテトチップやビールの棚が空になっていく現象が見られます。全米1億1000万人が観戦するという夢の祭典「スーパーボウル」。その試合のなり行きにアメリカ中が熱くなります。
ハーフタイムショーや広告CMも必見です!
そのほか、試合の前半・後半の間に行われる「ハーフタイムショー」。そして、この日のためだけの「テレビCM」にも大きな注目が集まります。わずか30秒のCMスポットは、非常に高額であることが知られています。2024年実績で650万〜700万ドル。1ドル145円換算で、約9億4250万〜10億1500万円です。各社が工夫を凝らした広告は、多くの人の楽しみの一つとなっています。
2月14日 バレンタインデー(Valentine’s Day)
日本では、女性が男性にチョコレートを贈り愛を告白する日として始まりました。しかし、近年では義理チョコや友チョコなどその形を変えて発展しています。この日も、アメリカの祝日という訳ではありません。この日は、夫婦や恋人、友達同士が普段の感謝の気持ちを伝える日です。カードやキャンディ、クッキー、花束を贈るなどで、愛情を確認し合ったりもします。
起源を辿れば、古代ローマ帝国のお祭りが由来と言われています。2月15日の「若い娘を鞭打つと子宝に恵まれる」というお祭りを説とするものです。その他、2月14日が「鳥がつがう日」という古いイギリスの伝説にちなんだ説も。しかし、紀元前269年のローマ帝国に存在した聖人バレンタインさん。彼が、国に逆らった罪で2月14日に処刑されたことに由来する説が有力のようです。
2月第3月曜日 プレジデントデー(Presidents’ Day)
アメリカ初代大統領、ジョージ・ワシントンの誕生日(2月22日)を祝う祝日です。彼は、イギリス植民地時代にアメリカ軍を率い、独立戦争を勝利に導いた偉人です。そして、独立を勝ち取ったことで知られています。また、憲法会議の議長としてアメリカ合衆国憲法を起草しています。そのため、「建国の父」とも呼ばれています。
庭の桜の木を斧で傷付け、そのことを父親に素直に謝った幼少期の話は有名です。このエピソードから、チェリーパイやチェリーケーキをこの日に食べる習慣もあります。また、同じ日生まれのもう一人の偉人。アブラハム・リンカーンの生誕を同時に祝う地域もあるようです。
MARCH
3月17日 セントパトリックデー(St. Patrick’s Day)
鮮やかな緑色の三ツ葉のクローバーがシンボルのアイリッシュ系の人々のお祭り。6世紀アイルランドにカトリックを広めた、聖パトリックを祝う日です。マンハッタンでは、毎年盛大なパレードが5番街を中心に繰り広げられます。この日は、着る物や食べ物が全て、グリーンを使ったもので溢れます。一般的に、この日は、塩漬けコーンビーフやポテト添え茹でキャベツが食卓に並びます。これが、伝統的なアイルランド料理とのことです。
3月下旬〜4月 イースター(Easter)
春分の日の後、最初の満月の後の日曜日。十字架に架けられ処刑されたキリストの復活を祝う祝日です。古くから多産な動物として知られる新生のシンボル「うさぎ」。これをイメージし、街にはたくさんのうさぎグッズが並びます。その他、キリスト復活の象徴「たまご」をモチーフにしたカラフルなグッズも並びます。クリスチャンは、午前中教会に出掛け、午後は家族でイースターディナーを食べます。神に捧げられた子羊の料理、幸運のシンボル豚のハムなどが食卓に並びます。
額に「+」、アッシュ・ウェンズデーとは?
また、イースターの前日までの40日間は、四旬節(Lent)と呼ばれています。キリストの受難を偲び、断食や懺悔の修行をする期間です。初日は〝灰の水曜日(Ash Wednesday)〟と呼ばれています。信者たちは教会に行き、額に灰で十字を記します。そのため、街中には、額に黒い「+」のマークが付いている人見かけます。
一方、こうした四旬節の前に、思い切りハメをはずそうという祭りもあります。ルイジアナ州ニューオーリンズの「マルディグラ(Fat Tuesday)」です。全米各地から観光客が集まり、6日間休みなく、お祭り騒ぎが繰り広げられます。
さらに、イースター前の金曜日は「グッドフライデー」です。この日は、キリストが十字架に架けられたとされる日です。、アイシングなどで十字を付けた「ホットクロスパン」を食べる慣わしがあります。
APRIL
4月中旬〜下旬 パスオーバー(Passover)
2024年 4月22日〜4月29日
2025年 4月12日〜4月19日
その昔、奴隷として仕えたユダヤ人たちが、モーセに率いられエジプトを脱出しました。彼らが自由の身となったことを祝うお祭りです。数多く定められたユダヤ教祭日の中で、最も大切な祭日です。この日の夕食メニューは、信者たちにとって大きな意味を持っているそうです。パンを焼く余裕のない当時を偲び、固いクラッカーのような「マッツォ」。そして、「辛く苦い野菜」で奴隷としての苦しみを思い出します。その他、破壊されたユダヤ教の神殿の象徴として「焼き卵」が食卓に並びます。この辛く苦しい日々があったことを、今もなお忘れず胸に刻んでいるのです。
MAY
5月最終月曜日 メモリアルデー(Memorial Day)
メモリアルデーは、戦争や軍務中に亡くなった人々を追悼、記憶するための祝日です。毎年5月の最終月曜日に設定されます。もともとは「デコレーションデー」として知られていました。古くは南北戦争後に起源を持ち、その後1971年に正式な連邦祝日となりました。
この日は、全国で多くの人々が墓地や記念碑を訪れ戦没者を追悼します。この日は、各地で退役軍人達パレードが行われ、多くの人が参加し追悼の念を送ります。また、非公式ではありますが、「アメリカの夏が始まる日」として考えられてもいます。
5月〜6月 スタンレー・カップ・ファイナル(Stanley Cup Finals)
北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)のチャンピオンシップシリーズです。北米で最も重要なスポーツイベントの一つとして挙げる人も多いかも知れません。特に、NHLファンにとって、この試合がNHLシーズンのクライマックスです。イースタンとウェスタンの各優勝チームが、スタンレー・カップを争って競います。残念ながらアメリカの祝日ではありません。
多くのアイスホッケー選手にとって生涯の夢
スタンレー・カップは、北米で最も歴史あるプロスポーツのトロフィーです。このスタンレー・カップ獲得が、アイスホッケーにおける最高の栄誉です。多くのホッケー選手にとって生涯の夢なのです。ファイナルは、エキサイティングなプレイ、熱狂的なファンで知られています。寒い北部州で人気の高いスポーツですが、スタンレー・カップ・ファイナルは、全国的に関心が高まります。特に、大都市のチームが出場するとさらに注目が高まります。
ファンたちはチームジャージを身にまとい、会場に駆けつけたり、スポーツバーの大画面などで応援します。この日は、皆が栄誉あるスタンレー・カップの行方を気にした1日となります。
JUNE
毎年6月上旬から下旬 NBAファイナル(NBA Final)
全米プロバスケットボール協会(NBA)のチャンピオンシップシリーズです。アメリカ人にとって非常に重要な文化・スポーツ的イベントです。この大会は、プロバスケットボールの頂点を象徴しています。イースタン・カンファレンスとウェスタン・カンファレンスの優勝チームが対戦。リーグのチャンピオンを決定します。7試合制で、どちらかのチームが4勝した時点で終了するシステムです。NFL、MLBなどと同様、優勝チームには、特別デザインの記念指輪「チャンピオンリング」が贈られます。
トップレベルの才能やスキルがしのぎを削る「NBAファイナル」
特に、バスケットボールファンにとって、NBAファイナルが最大級のイベントです。ここで、世界トップレベルの才能やスキルがぶつかり合います。マイケル・ジョーダン、コービー・ブライアント、レブロン・ジェームズ。ほかにも、ステフィン・カリーといった世界的に有名な選手がその名を刻みました。彼らが残した功績が、このイベントの歴史的な意義をさらに深めています。
他の4大スポーツと同様、家族や友人、地域社会が集まって試合を観戦します。また、ソーシャルメディア、スポーツニュースでも広く取り上げられます。チーム優勝の際は、優勝パレードや大規模な祝賀会が開催されることも珍しくありません。
また、NBAファイナルは単なるスポーツイベントにとどまりません。ファッションや音楽、社会問題まで、バスケットボールが与える影響は大きいものです。スポーツファンでなくても、試合の様子を目にする機会が多いのではないでしょうか。NBAファイナルはアメリカのポップカルチャーの重要な一部なのです。この日も、アメリカの祝日という訳ではありません。しかし、アメリカ人にとって、とても重要なカルチャーの一部となっています。
6月19日 ジューンティーンス(奴隷解放記念日)(Juneteenth National Independence Day)
通称「ジューンティーンス」は、奴隷制の終焉を記念する休日です。Jubilee Day、Freedom Day、Black Independence Dayなどとも呼ばれます。
1865年、ゴードン・グレンジャー少将の北軍部隊が、テキサス州ガルベストンに到着。そこで、アフリカ系アメリカ人奴隷に自由がもたらされました。そのことが知らされた日を記念しています。これは、リンカーン大統領の「奴隷解放宣言」から2年半後の出来事です。最後まで奴隷制度があったのがテキサス州でした。ここで、奴隷解放が発表されたのが1865年6月19日でした。
自由と解放を象徴する日
特に、アフリカ系アメリカ人にとって、「自由と解放」を象徴する日です。彼らの文化、歴史、そして功績を祝う時期となります。これまで、テキサス州中心に、アフリカ系コミュニティで150年以上にわたり祝われてきました。しかし、2021年に「ジューンティーンス・ナショナル・インデペンデンス・デー」として正式に連邦祝日となったのです。この日は、集会、パレード、フェスティバル、教育イベント、文化的パフォーマンスで祝われます。その一方、アメリカの奴隷制の歴史を振り返る日でもあります。現在も続く、人種的正義と平等のための闘いについて考えさせる機会にもなっています。
JULY
7月4日 独立記念日(Independence Day)
独立戦争の最中であった1776年7月4日。母国イギリスに対して、植民地アメリカの独立宣言が読み上げられた日です。独立宣言の起草は、のちに第3代大統領に任命されたトーマス・ジェファーソンが尽力したとされています。
多くのアメリカ人にとって、独立記念日は重要な意味を持ちます。最も敬意が払われている、重要なアメリカの祝日の一つです。決まった料理はなく、家族や友達同士で集まり、野外バーベキューを楽しみます。缶ビール片手に花火を見て、まさに真夏の息抜きの一日です。この日に花火をする人が多いのですが、地域によっては花火は違法です。
AUGUST
アメリカ合衆国には、8月に主要なアメリカの祝日はありません。ただし、一部の州やコミュニティでは、地域的または文化的なイベントが行われます。例えば、ハワイでは、1959年にハワイが50番目の州として加入しました。その州昇格記念日(Statehood Day)は、8月の第3金曜日です。
SEPTEMBER
9月第1月曜日 レイバーデー(Labor Day)
レイバーデーは、毎年9月の第1月曜日に祝われます。この日は、アメリカの労働者の貢献と業績、及び労働運動を称える日です。特に、様々な産業で働く労働者の努力と献身を認識する時と考えられています。「労働者の権利とより良い労働条件を求める闘い」を思い起こさせる日となります。日本でいう、メーデーに当たる労働者の祭典です。
レイバーデーの起源は19世紀後半にさかのぼります。100年以上前、ニューヨークで、何人かの職人によって作られた労働組合が発端です。1894年の労働争議やデモによる影響から、ナショナルホリデーに正式制定されました。毎年恒例のニューヨークパレードは、1882年9月5日に中央労働組合によって始められたものです。現在も労働組合の団結力の強さを見せつけています。
アメリカ人にとって「夏の終わりを告げる日」
レイバーでーは、多くのアメリカ人にとって「夏の終わりを告げる日」でもあります。この長い週末を利用し、その年最後のビーチや、バーベキュー、ピクニックを楽しみます。
9月11日 愛国者の日(Patriot Day)
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件。当時の犠牲者を追悼し、英雄的に行動したファーストレスポンダーたちを称える日です。大統領が式典に参加し、世界貿易センタービルにアメリカン航空機が衝突した午前8時46分に最初の黙とうが捧げられます。全米で半旗が掲揚され、各地で式典が行われます。しかし、アメリカの祝日ではなく、企業や学校は通常通り営業、授業が行われます。
悲しみを心に刻む
この日は、その日の出来事を思い起こさせる厳粛な日です。ハイジャックされた4機のうち2機は、ワールドトレードセンターのツインタワーに衝突。また、バージニア州アーリントンのペンタゴンに1機が衝突。さらに、ペンシルベニア州の田園地帯で、乗客が機体の制御を取り戻そうとして、もう1機が墜落しました。その時の悲しみを心に刻み直す日です。
OCTOBER
10月第2月曜日 コロンブスデー(Columbus Day)
スペイン王室援助のもと、アジア大陸を目指し航海をしたイタリア人のクリストファー・コロンブス。彼が、1492年10月12日にアメリカ大陸を発見、到着したことを祝う祝日です。しかし、アメリカの祝日という訳ではありません。公共施設や学校などは休日となり、大規模なパレードを行う地域もあります。しかし、ハワイ、アラスカ、オレゴンなど、コロンブスデーを認めない州もあります。コロンブスを英雄と捉える人がいる一方、奴隷商人の側面を見る人もいます。コロンブス到着で先住民が弾圧を受けたことから、毎年各地で先住民団体が抗議行動を行っています。
10月下旬 MLB ワールドシリーズ(MLB World Series)
MLBワールドシリーズ(MLB World Series)。メジャーリーグベースボール(MLB)のチャンピオンシップシリーズです。「アメリカの国民的娯楽」としても知られ、最も権威あるスポーツイベントの一つです。通常、10月の終わりに開催されます。アメリカンリーグ(AL)ナショナルリーグ(NL)の勝者が対戦。7戦4勝制のプレイオフ形式で野球の総合チャンピオンを決定します。
長いMLB野球シーズンの集大成
残念ながら、こちらもアメリカの祝日ではありません。しかし、多くのアメリカ人にとって、長い野球シーズンの集大成を意味します。興奮、競争、伝統に満ちたイベントです。特に、これまでの歴史を振り返る時間としても見なされます。過去のチャンピオンや伝説的な選手の映像を映し出すことがよくあります。ワールドシリーズは、大きな視聴率を誇り、何百万もの人々が試合を視聴します。
ワールドシリーズの日は、家族や友人が集まって試合を観戦します。また、多くのコミュニティが観戦パーティや祝賀イベントを開催します。このシリーズには象徴的な瞬間やパフォーマンスがあり、毎年新たな伝説が生まれます。ワールドシリーズの勝者は、地元の都市でヒーローとして称賛されます。
10月31日 ハロウィーン(Halloween)
今では「ハロウィーン=仮装パレード」という印象が強いイベントです。もとは、イギリスやアイルランドのケルト民族の伝統行事由来の、日本のお盆に似たイベントです。古代ケルト民族の宗教では、11月1日が新年にあたります。また、ローマ・カトリック教会全ての聖人を記念する(All Hallows)の前夜。10月31日(All Hallows Eve)に先祖の魂を迎え、それに合わせ家に入り込もうとする悪霊を追い払う。そのため、人々は恐ろしい仮面や衣装を着けて家の回りを練り歩いたとされています。このオール・ハロウズ・イブを省略し、「ハロウィン」と呼ばれています。
悪霊を追い払うための仮装ですので、本来はモンスターのような格好で怖がらせます。または、悪霊たちの仲間と見せかけて誤魔化すものが、趣旨にあったコスチュームです。しかし、現代ではその意図は薄まり、アニメキャラクターやモノなどに扮するコスプレが増えています。
Trick or treat
子供たちの大好きな祝日ですね。可愛らしい仮装をした子供たちがパンプキンの形をしたを下げ、「Trick or treat(お菓子をくれないといたずらするぞ)」と近所を練り歩き、お菓子を集めます。子供達中心のパーティーや若者たち向けのイベントもあちこちで企画されます。パンプキンパイやアップルサイダー、キャラメルでコーティングしたりんごなども用意されたりします。また、この日に合わせてカボチャ狩りやパンプキンパッチ(カボチャのランタン)のイベントが催されます。アメリカの祝日ではありません。
ハロウィーンのシンボルとなる(ジャック・オー・ランタン(Jack o’lantern)や箒に跨る魔女は、ケルト文化独特のもの。しかし、かぼちゃが使われるようになったのは、アイルランド移民がアメリカに移り住み、この文化が定着して以降のことです。元々は、大きなカブに人の顔を描木、ランタンとしていたようです。
NOVEMBER
11月第一月曜日の翌日(2〜8日)火曜日 選挙の日(Election Day)
地方、国政選挙が行われる日です。アメリカの祝日です。1800年代のアメリカでは、国民の多くは農業に携わっていました。そのため、投票所から離れており、投票に2日間が必要でした。日曜日に教会に行き、月曜日に移動。その後火曜日に投票し、水曜日に市場に行く。そのため、農家が種蒔きと収穫を終え、冬が来る前の11月の火曜日が最適とされ、選挙の日に決められました。米国大統領選挙は、4年ごとに行われるほか、州知事、市長、議員の選挙もこの日に投票されます。今年は2024年11月6日がその日に当たります。
11月11日 ベテランズ・デー(Veterans Day)
「ベテランズ・デー」は第一次世界大戦の終戦記念日でアメリカの祝日です。「ベテラン」とはアメリカ軍に従軍した退役軍人のことです。当時の軍人達を記念し、退役軍人の生活と亡くなった方々の献身的な奉仕を認識する重要な日です。元々は、休戦記念日(Armistice Day)として知られ、第一次世界大戦の終結を記念するために設けられました。しかし、この戦争は1918年11月11日に公式に終結。1954年、第二次世界大戦と朝鮮戦争を経て、祝日はすべてのアメリカの退役軍人を称えるためにベテランズデーに改名されました。
この日はテレビのニュースなどでも式典が放送されます。バージニア州のアーリントン墓地には、大統領または大統領代理が出向き、戦没者の墓に花と黙とうが捧げられます。アメリカの祝日はほとんど月曜日に振り替えられて連休になります。しかし、ベテランズ・デーだけは例外で、実際の終戦日が祝日として守られています。
すべての退役軍人を祝う日
パレード、追悼式、セレモニーなどが行われます。多くのコミュニティが地元の退役軍人を称えるイベントを開催。学校では、軍の奉仕の重要性について学生に教育するプログラムが行われることもあります。また、多くの企業がこの日に退役軍人に対し、割引や無料サービスを提供することがあります。
メモリアルデー(Memorial Day)は軍務中に亡くなった方々を特に称える日。これに対し、ベテランズデーはすべての退役軍人を祝う日です。彼らの奉仕と国へのコミットメントを認識する日です。軍人が払った犠牲を思い起こさせ、アメリカ社会への彼らの貢献に感謝する良い機会となります。
11月第4木曜日 サンクスギビング(Thanksgiving Day)
この連休が近づくと「サンクスギビングにはターキーを焼くの?」が挨拶代わりになっています。しかし、実はこのアメリカの祝日の背景には初期の入植者達の苦労が隠されています。
1620年冬、マサチューセッツ州プリマスにイギリスからの清教徒達が辿り着きました。しかし、食料不足で約半数の人々が命を落としてしまいました。翌年は、原住民のインディアンの協力を得て、七面鳥ととうもろこしの収穫に成功することができました。苦労を乗り越えた清教徒達は、インディアンと神の恵みに感謝して、収穫物でお祝いを行ったのが始まりとされています。
家族や親戚が遠くから集まり食卓を共にする
この日は、日本でいうお正月のようなイメージで、家族や親戚が遠くから集まり食卓を共にします。食前酒のアップルサイダーにウイスキーやブランデーなどを加えたホットトディーから食事会は始まります。メインデッシュはもちろんローストターキー。甘酸っぱいクランベリーソースをかけ、スタッフィング(詰め物)を添えてサーブします。
もし、ターキーの肉が淡泊すぎるという人はグレービーソースをかけると美味しいです。付け合わせはマッシュポテトやマカロニ&チーズ、ヤム芋の煮物などが一般的で、デザートのパンプキンパイやキャロットケーキで締めくくります。特に、この休暇中は、日本の寝正月のようなイメージ。メイシーズのサンクスギビングパレードをテレビで観たり、家でのんびり過ごす方が多いようです。
11月第4金曜日 ブラック・フライデー(Black Friday)
感謝祭(サンクスギビング)の翌日、毎年11月の第4木曜日の翌日です。ブラックフライデー(Black Friday)と呼ばれ、小売業界において、ホリデーのショッピングシーズンの始まりを象徴する日です。多くの小売店では特別なセールや割引が行われます。消費者が大量に買い物をする日として知られています。
「ブラックフライデー」という名称は、小売店の帳簿が赤字から黒字に転じることに由来しています。これは、セールによる売上が大幅に増加し、店舗が利益を上げることを意味します。多くの店舗が早朝から営業を開始し、人気の商品には行列ができることもあります。特に家電製品、衣料品、玩具などが大幅に割引されることが多く、消費者にとってはお得な買い物のチャンスです。さらに、ブラックフライデーは店舗での買い物だけでなく、オンラインでの購買活動でも重要な日となっています。
11月第5月曜日 サイバー・マンデー(Cyber Monday)
サンクスギビングの翌月曜日にあたる日は「サイバーマンデー(Cyber Monday)」と呼ばれます。主にオンラインショッピングを対象とした大規模なセールイベントです。最初にこの名称が使われたのは2005年で、Eコマース業界がこの日をオンラインでの特別セールの日として宣伝するようになりました。特に、多くのオンライン小売業者が大幅な割引を提供します。家電製品、衣料品、アクセサリー、ギフトなど、さまざまな商品が対象となります。
この日は、特に忙しい週末の後に、消費者が自宅でゆっくりとオンラインで買い物を楽しむ機会を提供します。サイバーマンデーは、ブラックフライデーと並ぶ年末商戦の重要な日です。オンライン小売業者にとっても大きな売上を上げるチャンスとなっています。また、最近ではサイバーマンデーのセールが数日間にわたって続くこともあります。そのため、消費者にとってはより多くの買い物の機会が提供されます。
DECEMBER
12月25日 クリスマス(Christmas Day)
イブの夜は、どの教会でもミサが催されます。普段は教会に足を運ばない人でも、このアメリカの祝日ばかりは家族そろって教会に出掛けます。クリスマスキャロルを歌い、キリストの誕生を祝います。クリスマス当日も、人々は午前中から礼拝に出掛け、その後家族とともにクリスマスディナーを楽しむのが一般的です。
メニューはサンクスギビングと似ていて、ローストチキンやターキー、またはハムのクランベリー添えです。さらに、付け合わせはスイートポテトやゆで野菜。デザートはフルーツケーキ、レーズン入りプディング、ミンスパイ(細かく切ったレーズンやりんごのパイ)などが多く、特に伝統にはこだわらず、各家庭で趣向を凝らしているものが多くなっています。また、卵にクリーム、ナツメグ、砂糖を混ぜたエッグノッグという飲み物もよく飲まれます。
現在、アメリカには約600万人のユダヤ人、ほぼ同数のイスラム教徒がいると言われています。
12月26日〜1月1日 クワンザ(Kwanzaa)
アメリカ人のアフリカ研究者マウラナ・カレンガがアフリカの収穫祭等をもとに提唱し、1966年に米国で始まったアフリカ系アメリカ人の祭日です。クワンザの7つの原則を象徴する赤、黒、緑の7本のキャンドルを、1日1本ずつ点灯していきます。クリスマスと共に祝う家庭もあります。
様々な国や宗教の祝日が祝われる時期
移民の国アメリカには様々な宗教があり、年末は様々な祝日が祝われる時期。そのため、この時期は「ホリデーシーズン」と呼ばれます。キリスト教は「Merry Christmas」。、ユダヤ教は「Happy Hanukkah」また、クワンザでは「Joyous Kwanzaa」という挨拶が使われます。しかし、相手の宗教が分からないことも多いので「Happy Holidays!」と言えば間違いありません。この時期に、親しい人にカードを送る習慣があります。キリスト教以外の人に「Merry Christmas」のカードを送ってしまわないように気をつけてくださいね。
12月中旬 ハヌカ(Hanukkah)
2023年 12月7日ー12月15日
2024年 12月8日ー12月15日
ユダヤ教の祭日。紀元前165年、当時ユダヤの地はシリアに征服され、異教信仰を強要されました。しかし、その3年後にユダヤ人は、ついにシリア軍を打ち負かし、エルサレムの神殿を奪回しました。この時に灯した神聖なランプは、1日分の油しかなかったにも関わらず8日間も燃え続けたといいます。この奇跡を祝うのがハヌカで、「光の祭典」とも「神殿の奉納の祭り」とも呼ばれています。
12月31日 ニューイヤーズイブ(New Year’s Eve)
大掃除をしたり、近所の神社やお寺に出向いて静かに新年の抱負を誓う日本のスタイルとは違い、飲めや踊れやの大騒ぎをして年を越すのがアメリカ流です。毎年恒例のニューヨーク、タイムズスクエアで行われるカウントダウンは、人々の熱気で溢れ返ります。
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