アメリカの祝日やイベントを学べば、アメリカ生活がもっと楽しくなる!

US Holidays 《トリビア》
US Holidays

国が変われば祝日や行事も違うのは当然ですが、様々な人種が暮らすアメリカでも、州や地域レベル含むたくさんのお祝い行事が行われています。ここでは、アメリカの祝日やイベントをまとめてみました。

  1. JANUARY
    1. 1月1日 ニューイヤーズ・デー(New Year’s Day)
    2. 1月第3月曜日 マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デー(Martin Luther King Jr. Day)
    3. 1月30日 フレッド・コレマツ・デー(Fred Korematsu Day)
    4. 1月下旬〜2月中旬 春節 チャイニーズ・ニューイヤー(Chinese New Year, Lunar New Year)
  2. FEBRUARY
    1. 2月上旬の日曜日 スーパーボウル(Super Bowl)
    2. 2月14日 バレンタインデー(Valentine’s Day)
    3. 2月第3月曜日 プレジデントデー(Presidents’ Day)
  3. MARCH
    1. 3月17日 セントパトリックデー(St. Patrick’s Day)
    2. 3月下旬〜4月 イースター(Easter)
  4. APRIL
    1. 4月中旬〜下旬 パスオーバー(Passover)
  5. MAY
    1. 5月最終月曜日 メモリアルデー(Memorial Day)
    2. 5月〜6月 スタンレー・カップ・ファイナル(Stanley Cup Finals)
  6. JUNE
    1. 毎年6月上旬から下旬 NBAファイナル(NBA Final)
    2. 6月19日 ジューンティーンス(奴隷解放記念日)(Juneteenth National Independence Day)
  7. JULY
    1. 7月4日 独立記念日(Independence Day)
  8. AUGUST
  9. SEPTEMBER
    1. 9月第1月曜日 レイバーデー(Labor Day)
    2. 9月11日 愛国者の日(Patriot Day)
  10. OCTOBER
    1. 10月第2月曜日 コロンブスデー(Columbus Day)
    2. 10月下旬 MLB ワールドシリーズ(MLB World Series)
    3. 10月31日 ハロウィーン(Halloween)
  11. NOVEMBER
    1. 11月第一月曜日の翌日(2〜8日)火曜日 選挙の日(Election Day)
    2. 11月11日 ベテランズ・デー(Veterans Day)
    3. 11月第4木曜日 サンクスギビング(Thanksgiving Day)
    4. 11月第4金曜日 ブラック・フライデー(Black Friday)
    5. 11月第5月曜日 サイバー・マンデー(Cyber Monday)
  12. DECEMBER
    1. 12月25日 クリスマス(Christmas Day)
    2. 12月26日〜1月1日 クワンザ(Kwanzaa)
    3. 12月中旬 ハヌカ(Hanukkah)
    4. 12月31日 ニューイヤーズイブ(New Year’s Eve)

JANUARY

1月1日 ニューイヤーズ・デー(New Year’s Day)

日本と同様、新しい年を迎えた最初の日です。アメリカの祝日も、家族や親族、友人たちと過ごすことが一般的ですが、この日も新年前夜の大晦日からの年越しパーティを経て、タイムズスクエアのカウントダウンイベントや花火をテレビで観ながら迎えるのが一般的です。日本のお正月のように、新年のための特別な行事や食事がある訳ではありませんので、各地で予定されるカレッジフットボールの試合を観戦したり、のんびり体を休めて過ごします。日本と異なり、新年は1月2日が仕事・学校初めの場合が多く、あまりお正月気分というものを味わうことなく新しい一年が動き出します。

1月第3月曜日 マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デー(Martin Luther King Jr. Day)

1960年代に公民権運動リーダーとして活躍したキング牧師の功績を讃えるアメリカの祝日です。キング牧師は、「非暴力」をスローガンに人種統合を訴え続け、1964年に公民権制定法を勝ち得ました。そんな彼の誕生日「1月15日」にちなみ制定されたアメリカの休日です。ワシントンD.C.のリンカーンメモリアルで、20万人の聴衆を前に行われた「I have a dream. (私には夢がある)」のくだりから始まる演説は、多くの人々の心に火をつけ、時代を動かした、歴史に残る有名なスピーチです。後に、その絶大なる影響力と信頼からノーベル平和賞を受賞しましたが、1968年4月4日に宿泊先のメンフィスのホテルで暗殺されました。

1月30日 フレッド・コレマツ・デー(Fred Korematsu Day)

アジア系アメリカ人の誕生日にちなんで制定された、アメリカで初の祝日です。その人は、是松豊三郎(フレッド・トヨサブロー・コレマツ)さん。第二次世界大戦期に行われた日系人強制収容の不当性を訴え続け、後に米国政府から日系人への謝罪と補償を実現させましたことで知られています。この偉大なる功績を讃え、1998年には「大統領自由勲章」も受章しています。2010年にカリフォルニア州政府が制定した後、ハワイ、バージニア、フロリダ、ニューヨーク、アリゾナなど各州がその動きに追随しました。日本ではあまりその功績を知られていないフレッド・コレマツさんですが、アメリカの祝日になっただけでなく、カリフォルニア州ではいくつもの学校の名前として取り入れられています。

1月下旬〜2月中旬 春節 チャイニーズ・ニューイヤー(Chinese New Year, Lunar New Year)

2024年 2月10日
2025年 1月29日

旧暦のお正月を祝う祝日で、中国のみならず韓国やベトナム、シンガポール、マレーシアなど、その他12か国と地域でお祝いをする日です。こうした国や地域出身者の多いエリアやチャイナタウンでは、お正月を祝う飾り物や食品が用意され、1週間ほどの間、花火や爆竹が鳴り響き、獅子舞が舞い踊り新年を祝います。2016年からは、ニューヨーク市の公立学校で正式に祝日として認定され、学校もお休みとなっています。

FEBRUARY

2月上旬の日曜日 スーパーボウル(Super Bowl)

アメリカ最大のスポーツイベントの一つ「ナショナルフットボールリーグ(NFL)」(いわゆるアメリカンフットボール〈アメフト〉と呼ばれているものですね)の優勝決定戦が行われる日です。残念ながらアメリカの祝日という訳ではありませんが、この優勝決定戦に向けて、シーズン中の毎週日曜日の夜にアメフトの試合が組まれ、推しのチームの試合に合わせて会場に駆けつけ応援したり、家族や友人と家やスポーツバーで観戦パーティーを開くなどして楽しみます。

スーパーボウルの日には、サンクスギビングに次いで2番目に食料消費量が多いとされ、イベントが近づくにつれて食料品店には列ができ、ポテトチップやビールの棚が空になっていく現象が見られます。1億1000万人が観戦するというスーパーボウルでは、その試合のなり行きはもちろんなのですが、試合の前半・後半の間に行われる「ハーフタイムショー」や、この日のためだけに特別に作られる「テレビCM」にも大きな注目が集まります。わずか30秒のCMの放映料は、2024年実績で650万〜700万ドル(1ドル145円換算で約9億4250万〜10億1500万円)と非常に高額なものとなりますが、様々な工夫を凝らした広告が楽しめます。

2月14日 バレンタインデー(Valentine’s Day)

日本のバレンタインデーは、女性が男性にチョコレートを贈り愛を告白する日として始まり、近年では義理チョコや友チョコなどその形を変えて発展してきました。この日もアメリカの祝日という訳ではありませんが、夫婦や恋人、友達同士が感謝を込めてカードやキャンディ、クッキー、花束などを贈り、愛情を確認し合う日となります。

起源を辿れば、古代ローマ帝国の2月15日に行われていた「若い娘を鞭打つと子宝に恵まれる」というお祭りを由来とする説の他に、2月14日は「鳥がつがう日」という古いイギリスの伝説にちなんでいるという説もあるようです。ただ、紀元前269年のローマ帝国に存在した聖人バレンタインさんが、国に逆らった罪で2月14日に処刑されたことに由来する説が一番有力のようです。

2月第3月曜日 プレジデントデー(Presidents’ Day)

アメリカ初代大統領、ジョージ・ワシントンの誕生日(2月22日)を祝うアメリカの祝日です。ワシントンさんは、イギリス植民地時代にアメリカ軍を率い、独立戦争を勝利に導き独立を勝ち取った偉人として知られています。さらには、憲法会議の議長としてアメリカ合衆国憲法を起草し、「建国の父」と呼ばれるようになりました。

幼少期には、あやまって自宅の庭の桜の木を斧で傷付けてしまい、父親に素直に謝り許してもらったエピソードなどもよく知られています。この話にちなみ、プレジデントデーにはチェリーパイやチェリーケーキを食べるという慣わしもあります。2月12日生まれた、もう一人の偉大なる大統領アブラハム・リンカーンの誕生日(2月12日)を同時に祝う地域もあるようです。

MARCH

3月17日 セントパトリックデー(St. Patrick’s Day)

鮮やかな緑色の三ツ葉のクローバーをシンボルに、6世紀アイルランドにカトリックを広めた聖パトリックを祝うアイリッシュ系の人々のお祭りです。ニューヨーク州マンハッタンでは、毎年盛大なパレードが5番街を中心に繰り広げられ、その他のアイリッシュ系の人々が多く住むエリアでは、着るものや食べ物にもグリーンが溢れます。この日のアイリッシュ系の食事は、コーンビーフ(塩漬けビーフ)やポテトを添えた茹でキャベツなどが並び、これが伝統的なアイルランド料理だそうです。

3月下旬〜4月 イースター(Easter)

春分の日の後、最初の満月の後の日曜日に、十字架に架けられ処刑されたキリストが復活したことを祝うアメリカの祝日です。古くから多産な動物として知られる新生のシンボル「うさぎ」をイメージに用い、街にはたくさんのうさぎグッズが並びます。その他にも、キリストが生き返った象徴として考えられている「たまご」をモチーフに、うさぎグッズと同様、カラフルなたまごグッズも販売されます。イースターの日には、クリスチャンの人々は午前中に教会に出掛け、午後になると家族で集まってイースターディナーを取るというのが一般的です。神に捧げられたとされる子羊の料理や、幸運のシンボルである豚のハムなどが食卓に並びます。

また、イースターの前日までの40日間は、四旬節(Lent)と呼ばれ、キリストの受難をしのんで断食や懺悔の修行をする期間となります。初日は〝灰の水曜日(Ash Wednesday)〟と呼ばれ、教会では信者たちの額に灰で十字を記す儀式が行われるため、この日は、額に黒い「+」のマークが付いている人を街で多く見かけるようになります。こうした四旬節が始まる前に、思いっ切りハメをはずそうというお祭りが「マルディグラ(Fat Tuesday)」で、ルイジアナ州ニューオーリンズで行われるイベントには、全米各地から観光客が集まり、6日間休みなくお祭り騒ぎが繰り広げられます。

イースター前の金曜日は、キリストが十字架に架けられた日「グッドフライデー」で、この日は、ホットクロスパンというアイシングなどで十字を付けたパンを食べる習慣があります。

APRIL

4月中旬〜下旬 パスオーバー(Passover)

2024年 4月22日〜4月29日
2025年 4月12日〜4月19日

その昔、エジプトで奴隷として仕えたユダヤ人たちがモーセに率いられて脱出し、自由の身となったことを祝うお祭りです。数多く定められたユダヤ教祭日の中で最も大切な祭日であり、この日の夕食メニューは、信者たちにとってとても大きな意味を持っています。当時は、パンを焼く余裕もなかったことを思い出すために、クラッカーのような固いパン「マッツォ」を食べ、「辛く苦い野菜」で奴隷としての苦しみ、その他にも破壊されたユダヤ教の神殿の象徴として「焼き卵」を食卓に並べることで、この辛く苦しい日々があったということを、今もなお忘れず胸に刻んでいるのです。

MAY

5月最終月曜日 メモリアルデー(Memorial Day)

メモリアルデーは、アメリカ合衆国において、戦争や軍務中に亡くなった人々を追悼し、記憶するための連邦祝日、アメリカの祝日です。毎年5月の最終月曜日に観察されます。もともとは「デコレーションデー」として知られ、南北戦争後の時期に起源を持ち、1971年に正式な連邦祝日となりました。

メモリアルデーには、全国で多くの人々が墓地や記念碑を訪れて、戦没者を追悼します。また、全国各地で退役軍人達のパレードが行われ、多くの人々がパレードに参加し追悼の念を送ります。この日は、アメリカにおける夏の非公式な開始日として見なされることも多いです。

5月〜6月 スタンレー・カップ・ファイナル(Stanley Cup Finals)

スタンレー・カップ・ファイナルは、北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)のチャンピオンシップシリーズであり、北米における最も重要なスポーツイベントの一つです。アメリカ人、特にホッケーファンにとって、この試合はNHLシーズンのクライマックスを意味し、イースタン・カンファレンスの優勝チームとウェスタン・カンファレンスの優勝チームがスタンレー・カップを競います。残念ながらアメリカの祝日ではありません。

スタンレー・カップは、北米で最も歴史のあるプロスポーツのトロフィーであり、このスタンレー・カップの獲得が、アイスホッケーにおける最高の栄誉を象徴し、多くのホッケー選手にとって生涯の夢となっています。ファイナルは、激しい競争、エキサイティングなプレイ、そして熱狂的なファンが参加することで知られています。ホッケーは、特に寒冷な気候の北部州や地域で人気が高いものの、スタンレー・カップ・ファイナルは全国的な関心を集め、特に大都市やファン層の多いチームが出場すると注目が高まります。

このイベントは広く放送され、多くのファンが観戦パーティを開催したり、試合に参加したり、チームのジャージを着てスポーツバーやレストランの大画面で観戦するなど、試合展開を熱心に追いかけます。地元のコミュニティがチームを応援し、誰が栄誉あるスタンレー・カップを掲げるのかという期待が高まる時期です。

JUNE

毎年6月上旬から下旬 NBAファイナル(NBA Final)

NBAファイナルは、全米プロバスケットボール協会(NBA)のチャンピオンシップシリーズであり、アメリカ人にとって非常に重要な文化的・スポーツ的イベントです。この大会は、プロバスケットボールの頂点を象徴し、イースタン・カンファレンスの優勝チームとウェスタン・カンファレンスの優勝チームが対戦し、リーグのチャンピオンを決定します。7試合制で、どちらかのチームが4勝した時点で終了するシステムで、NFL、MLBなどのアメリカメジャースポーツと同様に、優勝チームには、特別にデザインされた記念の指輪、チャンピオンリングが贈られます。

バスケットボールファンにとって、NBAファイナルは最も待ち望まれるイベントであり、トップレベルの才能やスキル、ドラマが繰り広げられます。このシリーズは単なる試合の連続ではなく、スポーツの卓越性を祝う場でもあり、マイケル・ジョーダン、コービー・ブライアント、レブロン・ジェームズ、ステフィン・カリーといった世界的に有名な選手がその名を刻んできました。彼らが残した功績が、このイベントの歴史的な意義をさらに深めています。

他の4大スポーツと同様、家族や友人、地域社会が集まって試合を観戦し、テレビやソーシャルメディア、スポーツニュースで広く取り上げられます。チームが優勝すると、都市全体がそのチームを応援し、優勝後のパレードや大規模な祝賀会が開催されることも珍しくありません。

また、NBAファイナルは単なるスポーツイベントにとどまらず、ファッションや音楽、社会問題に至るまで、バスケットボールがアメリカの生活に与える幅広い影響を反映しています。スポーツファンでない人々も、そのエンターテイメント性から試合を視聴することが多く、NBAファイナルはアメリカのポップカルチャーの重要な一部となっています。この日もアメリカの祝日という訳ではありませんが、アメリカ人にとってとても重要なカルチャーの一部です。

6月19日 ジューンティーンス(奴隷解放記念日)(Juneteenth National Independence Day)

Jubilee Day、Freedom Day、Black Independence Dayなどとも呼ばれる、通称「ジューンティーンス」は、毎年6月19日に祝われる、アメリカ合衆国における奴隷制の終焉を記念するアメリカの休日です。

1865年、ゴードン・グレンジャー少将が率いる北軍の部隊がテキサス州ガルベストンに到着し、アフリカ系アメリカ人の奴隷に対して自由がもたらされたことを知らせた日を記念しています。この知らせは、エイブラハム・リンカーン大統領による「奴隷解放宣言」から2年半後の出来事でした。最後まで奴隷制度があったテキサスで奴隷解放が発表された1865年6月19日を記念したアメリカの祝日です。

特に、アフリカ系アメリカ人にとっては、自由と解放を象徴する日であり、彼らの文化、歴史、そして功績を祝う時期となります。この祝日は150年以上にわたり、テキサス州を中心に各地の主にアフリカ系アメリカ人のコミュニティで祝われてきましたが、2021年には「ジューンティーンス・ナショナル・インデペンデンス・デー」として正式に連邦祝日となりました。集会、パレード、フェスティバル、教育イベント、文化的なパフォーマンスで祝われますが、アメリカにおける奴隷制の歴史を振り返り、現在も続く人種的正義と平等のための闘いについて考える機会でもあります。

JULY

7月4日 独立記念日(Independence Day)

独立戦争の最中であった1776年7月4日に、母国イギリスに対して、植民地アメリカの独立宣言が読み上げられた日です。独立宣言の起草に当たっては、後に第3代大統領に任命されたトーマス・ジェファーソンが尽力したとされています。

多くのアメリカ人にとって、独立記念日は重要な意味を持ち、最も敬意が払われているアメリカの祝日の一つとなっています。特に決まった料理はありませんが、家族や友達同士が集まり、野外でバーベキューを楽しむのが一般的な祝日の過ごし方となっています。缶ビール片手に花火を見て、まさに真夏の息抜きの一日となります。この日に花火をする人が多いのですが、地域によっては花火は違法となりますので注意が必要です。

AUGUST

アメリカ合衆国には、8月に主要なアメリカの祝日はありません。ただし、一部の州やコミュニティでは、地域的または文化的なイベントが行われることがあります。例えば、ハワイでは、1959年にハワイが50番目の州として加入したことを記念する州昇格の日(Statehood Day)が、8月の第3金曜日に祝われます。

SEPTEMBER

9月第1月曜日 レイバーデー(Labor Day)

レイバーデーは、アメリカの祝日で、毎年9月の第1月曜日に祝われます。この日は、アメリカの労働者の貢献と業績、及び労働運動を称えるものです。様々な産業で働く労働者の努力と献身を認識する時と見なされ、「労働者の権利とより良い労働条件を求める闘い」を思い起こさせる日となります。日本でいう、メーデーに当たる労働者の祭典です。

レイバーデーの起源は19世紀後半にさかのぼり、100年以上前のニューヨークで、何人かの職人によって作られた労働組合が発端となり、1894年に労働争議やデモが大きく影響を与えた後にナショナルホリデーとして正式に制定されました。毎年恒例のニューヨークでのパレードは1882年9月5日に中央労働組合によって始められ、現在も労働組合の団結力の強さを見せつけています。

レイバーでーは、多くのアメリカ人にとって夏の終わりを告げる日でもあり、人々はこの長い週末を利用して、その年最後のビーチに家族や友人と出かけたり、バーベキューやピクニックを楽しんだりと、さまざまな屋外活動に勤しみます。

9月11日 愛国者の日(Patriot Day)

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の犠牲者を追悼し、英雄的に行動したファーストレスポンダーたちを称える日です。大統領が参加する式典が行われ、世界貿易センタービルにアメリカン航空機が衝突した午前8時46分に最初の黙とうが捧げられます。全米で半旗が掲揚され各地で式典が行われるなど追悼の日として認識されていますが、アメリカの祝日という訳ではなく、企業や学校は通常通り営業、授業が行われることが多いです。

この日は、その日の出来事を思い起こさせる厳粛な日であり、テロリストが4機の旅客機をハイジャックし、ニューヨーク市のワールドトレードセンターのツインタワーに2機を衝突させ、バージニア州アーリントンのペンタゴンに1機を衝突させ、さらにペンシルベニア州の田園地帯において乗客が機体の制御を取り戻そうとした結果、もう1機が墜落した悲しみを心に刻みます。

OCTOBER

10月第2月曜日 コロンブスデー(Columbus Day)

スペイン王室の援助を受け、アジア大陸を目指して航海をしていたイタリア人のクリストファー・コロンブスが、1492年10月12日にアメリカ大陸を発見、到着したことを祝う祝日です。アメリカの祝日という訳ではなく、公共施設や学校などは休日となり、大規模なパレードを行う地域もありますが、ハワイ州、アラスカ州、オレゴン州など、コロンブスデーを認めていない州もあります。コロンブスを英雄ととらえる人々がいる一方、奴隷商人でもあったコロンブスの到着で先住民が弾圧を受けたことから、毎年各地でこの日に先住民団体他が抗議行動を行っています。

10月下旬 MLB ワールドシリーズ(MLB World Series)

MLBワールドシリーズ(MLB World Series)は、「アメリカの国民的娯楽」としても知られるメジャーリーグベースボール(MLB)のチャンピオンシップシリーズであり、アメリカのスポーツイベントの中で最も権威のあるものの一つです。通常、10月の終わりに行われ、アメリカンリーグ(AL)ナショナルリーグ(NL)のチャンピオンが対戦し、7戦4勝制のプレイオフ形式で野球の総合チャンピオンを決定します。

こちらもアメリカの祝日ではありませんが、多くのアメリカ人にとって、ワールドシリーズは長い野球シーズンの集大成を意味し、興奮、競争、伝統に満ちた時期とされています。このイベントはスポーツとその歴史を祝う時間として見なされ、ファンは過去のチャンピオンや伝説的な選手を振り返ることがよくあります。ワールドシリーズは大きな視聴率を誇り、何百万もの人々が試合を視聴するため、アメリカ文化にとって重要な意味を持ちます。

ワールドシリーズの日は、家族や友人が集まって試合を観戦し、多くのコミュニティが観戦パーティや祝賀イベントを開催します。このシリーズには象徴的な瞬間やパフォーマンスがあり、毎年新たな伝説が生まれます。ワールドシリーズの勝者は、地元の都市でヒーローとして称賛されます。

10月31日 ハロウィーン(Halloween)

今では「ハロウィーン=仮装パレード」という印象が強いイベントですが、もとは、イギリスやアイルランドのケルト民族の伝統行事に由来する、日本でいうお盆に似たイベントです。古代ケルト民族の宗教では11月1日が新年にあたり、また、ローマ・カトリック教会で全ての聖人を記念する日(All Hallows)の前夜、10月31日(All Hallows Eve)に、先祖の魂を迎え、またそれに合わせて家に訪れようとする悪霊を追い払うために、人々は恐ろしい仮面や衣装を着けて家の回りを練り歩いたとされています。このオール・ハロウズ・イブを省略し、「ハロウィン」と呼ばれています。

悪霊を追い払うための仮装ですので、本来はモンスターのような格好をして怖がらせたり、または悪霊たちの仲間と見せかけて誤魔化すものが、趣旨にあったコスチュームです。しかし、現代ではその意図は薄まり、アニメキャラクターやモノなどに扮するコスプレが増えてきています。

子供達が大好きな祝日で、可愛らしい仮装をした子供達がパンプキンの形をしたかごを下げ、「Trick or treat(お菓子をくれないといたずらするぞ)」と言って近所を回り、お菓子を集めるのが慣わしとなっています。子供達中心のパーティーや若者たち向けのイベントもあちこちで企画され、パンプキンパイやアップルサイダー、キャラメルでコーティングしたりんごなどでお祝いします。また、この日に合わせてカボチャ狩りやパンプキンパッチ(カボチャのランタン)のイベントが催されます。アメリカの祝日ではありません。

また、ハロウィーンのシンボルとなっている(ジャック・オー・ランタン(Jack o’lantern)や箒に跨る魔女は、ケルト文化独特のものとなっていますが、かぼちゃが使われるようになったのは、アイルランド移民がアメリカに移り住み、この文化が定着して以降のことで、元々は大きなカブに人の顔を描木、ランタンとしていたそうです。

NOVEMBER

11月第一月曜日の翌日(2〜8日)火曜日 選挙の日(Election Day)

地方、国政選挙が行われる日です。アメリカの祝日です。1800年代の米国では、国民の多くは農業に携わり投票所から離れた土地に住んでいたため、投票には2日間が必要でした。日曜日に教会に行き、月曜日に移動して火曜日に投票し、水曜日に市場に行くことから、火曜日が最適で、農家が種蒔きと収穫を終え、冬が来る前の11月の火曜日が選挙の日と決められました。米国大統領選挙は、4年ごとに行われるほか、州知事、市長、議員の選挙もこの日に投票されます。

11月11日 ベテランズ・デー(Veterans Day)

「ベテランズ・デー」は第一次世界大戦の終戦記念日でアメリカの祝日です。「ベテラン」とはアメリカ軍に従軍した退役軍人のことで、この祝日は当時の軍人達を記念し、退役軍人の生活と亡くなった方々の献身的な奉仕を認識する重要な日です。元々は休戦記念日(Armistice Day)として知られており、第一次世界大戦の終結を記念するために設けられました。この戦争は1918年11月11日に公式に終結し、1954年、第二次世界大戦と朝鮮戦争を経て、祝日はすべてのアメリカの退役軍人を称えるためにベテランズデーに改名されました。

この日はテレビのニュースなどでも式典が放送されますが、バージニア州のアーリントン墓地に大統領または大統領代理が出向き、戦没者の墓に花と黙とうが捧げられます。アメリカの祝日はほとんど月曜日に振り替えられて連休になりますが、ベテランズ・デーだけは例外で、実際の終戦日が祝日として守られています。

パレード、追悼式、セレモニーなどが行われ、多くのコミュニティが地元の退役軍人を称えるイベントを開催し、学校では、軍の奉仕の重要性について学生に教育するプログラムが行われることもあります。また、多くの企業がこの日に退役軍人に対して割引や無料サービスを提供することがあります。

メモリアルデー(Memorial Day)が軍務中に亡くなった方々を特に称えるのに対し、ベテランズデーはすべての退役軍人を祝う日であり、彼らの奉仕と国へのコミットメントを認識します。この日は、軍人が払った犠牲を思い起こさせ、アメリカ社会への彼らの貢献に感謝する機会となります。

11月第4木曜日 サンクスギビング(Thanksgiving Day)

この連休が近づくと「サンクスギビングにはターキーを焼くの?」が挨拶代わりになっていますが、実はこのアメリカの祝日の背景には初期の入植者達の苦労が隠されています。

1620年冬、マサチューセッツ州プリマスにたどり着いたイギリスからの清教徒達は、食料不足で約半数の人々が命を落としてしまいました。しかし、翌年は、原住民のインディアンの協力を得て、七面鳥ととうもろこしの収穫に成功し、苦労を乗り越えた清教徒達は、インディアンと神の恵みに感謝して、収穫物でお祝いを行ったのが始まりとされています。

この日は、日本でいうお正月のようなイメージで、家族や親戚が遠くから集まり食卓を共にします。食前酒のアップルサイダーにウイスキーやブランデーなどを加えたホットトディーに始まり、メインデッシュはもちろんローストターキー。甘酸っぱいクランベリーソースをかけて、スタッフィング(詰め物)を添えてサーブします。ターキーの肉が淡泊すぎるという人はグレービーソースをかけると美味しいです。付け合わせはマッシュポテトやマカロニ&チーズ、ヤム芋の煮物などが一般的で、デザートのパンプキンパイやキャロットケーキで締めくくります。この休暇中は、日本の寝正月のようなイメージで、メイシーズのサンクスギビングパレードをテレビで観たり、家でのんびり過ごす方が多いようです。

11月第4金曜日 ブラック・フライデー(Black Friday)

感謝祭(サンクスギビング)の翌日、つまり毎年11月の第4木曜日の翌日にあたる日は、ブラックフライデー(Black Friday)と呼ばれ、アメリカの小売業界において、クリスマスシーズンのショッピングシーズンの始まりを象徴する日となります。多くの小売店では特別なセールや割引を行うため、消費者が大量に買い物をする日として知られています。

「ブラックフライデー」という名称は、小売店の帳簿が赤字から黒字に転じることに由来しています。これは、セールによる売上が大幅に増加し、店舗が利益を上げることを意味します。多くの店舗が早朝から営業を開始し、人気の商品には行列ができることもあります。特に家電製品、衣料品、玩具などが大幅に割引されることが多く、消費者にとってはお得な買い物のチャンスとなります。ブラックフライデーは店舗での買い物だけでなく、オンラインでの購買活動でも重要な日となっています。

11月第5月曜日 サイバー・マンデー(Cyber Monday)

サンクスギビングの翌月曜日にあたる日は「サイバーマンデー(Cyber Monday)」と呼ばれ、主にオンラインショッピングを対象とした大規模なセールイベントです。最初にこの名称が使われたのは2005年で、Eコマース業界がこの日をオンラインでの特別セールの日として宣伝するようになりました。多くのオンライン小売業者が大幅な割引を提供し、家電製品、衣料品、アクセサリー、ギフトなど、さまざまな商品が対象となります。

この日は、特に忙しい週末の後に、消費者が自宅でゆっくりとオンラインで買い物を楽しむ機会を提供します。サイバーマンデーは、ブラックフライデーと並ぶ年末商戦の重要な日となっており、オンライン小売業者にとっても大きな売上を上げるチャンスとなっています。また、最近ではサイバーマンデーのセールが数日間にわたって続くこともあり、消費者にとってはより多くの買い物の機会が提供されています。

DECEMBER

12月25日 クリスマス(Christmas Day)

イブの夜は、どの教会でもミサが催され、普段は教会に足を運ばない人でも、このアメリカの祝日ばかりは家族そろって教会に出掛け、クリスマスキャロルを歌いながらキリストの誕生を祝います。クリスマス当日も、人々は午前中から礼拝に出掛け、その後家族とともにクリスマスディナーを楽しむのが一般的です。

メニューはサンクスギビングと似ていて、ローストチキンやターキー、またはハムのクランベリー添えです。付け合わせはスイートポテトやゆで野菜、デザートはフルーツケーキ、レーズン入りプディング、ミンスパイ(細かく切ったレーズンやりんごのパイ)などが多く、特に伝統にはこだわらず、各家庭で趣向を凝らしているものが多くなっています。また卵にクリーム、ナツメグ、砂糖を混ぜたエッグノッグという飲み物もよく飲まれています。

現在、アメリカには約600万人のユダヤ人と、ほぼ同数のイスラム教徒がいると言われています。

12月26日〜1月1日 クワンザ(Kwanzaa)

アメリカ人のアフリカ研究者マウラナ・カレンガが、アフリカの収穫祭等をもとに提唱し、1966年に米国で始まったアフリカ系アメリカ人の祭日です。クワンザの7つの原則を象徴する赤、黒、緑の7本のキャンドルを、1日1本ずつ点灯していきます。クリスマスと共に祝う家庭もあります。

移民の国アメリカには様々な宗教があり、年末は様々な祝日が祝われる時期なので、この時期は「ホリデーシーズン」と呼ばれています。キリスト教は「Merry Christmas」、ユダヤ教は「Happy Hanukkah」またクワンザでは「Joyous Kwanzaa」という挨拶が使われますが、相手の宗教が分からないことも多いので「Happy Holidays!」と言えば間違いありません。この時期に、親しい人にカードを送る習慣がありますが、キリスト教以外の人に「Merry Christmas」のカードを送ってしまわないように気をつけてくださいね。

12月中旬 ハヌカ(Hanukkah)

2023年 12月7日ー12月15日
2024年 12月8日ー12月15日

ユダヤ教の祭日。紀元前165年、当時ユダヤの地はシリアに征服され、異教信仰を強要されました。しかし、その3年後にユダヤ人は、ついにシリア軍を打ち負かし、エルサレムの神殿を奪回しました。この時に灯した神聖なランプは、1日分の油しかなかったにも関わらず8日間も燃え続けたといいます。この奇跡を祝うのがハヌカで、「光の祭典」とも「神殿の奉納の祭り」とも呼ばれています。

12月31日 ニューイヤーズイブ(New Year’s Eve)

大掃除をしたり、近所の神社やお寺に出向いて静かに新年の抱負を誓う日本のスタイルとは違い、飲めや踊れやの大騒ぎをして年を越すのがアメリカ流です。毎年恒例のニューヨーク、タイムズスクエアで行われるカウントダウンは、人々の熱気で溢れ返ります。

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