4年に一度のアメリカ大統領選

4年に一度、大統領選の幕が開く ヒストリー
4年に一度、大統領選の幕が開く

4年に一度行われ、世界に大きな影響を与える選挙が、アメリカ大統領選です。今回2024年の大統領選レースは、11月5日が投票日で、その日に向けてレースは佳境を迎えていきます。ここでは、大統領選挙の仕組みと流れを紐解いていこうと思います。

アメリカ大統領選の流れ

まず、アメリカ大統領選挙は4年に1度、夏期オリンピックと同じ年に開催されます。大統領が決まるまでの流れはは大きく3ステップです。① 候補者選び(各党内で大統領候補者の選定)→ ② 大統領 本選挙 → ③ 大統領 就任式です。候補者には、無所属の候補が立候補することもあります。しかし、外交ファーストの保守派「民主党」、米国ファーストの過激派「共和党」の2大政党が一騎打ちというのが、一般的なシナリオです。

① 候補者選び(各党内で大統領候補者の選定)

立候補者の大統領選出馬表明

まず始めに、志願者は、記者会見や支持者集会の場で、次期大統領選への出馬の意思を表明します。

予備選挙・党員集会(支持獲得に向けた選挙運動)

ここから、本格的な予備予選のステージへと突入します。有権者は、出馬を表明した候補者に無記名で投票をしていきます。それに合わせて、党員集会で議論を重ね、勝利の確率が低い人は出馬を取り辞めていきます。そして、最終候補者の絞り込みが行ます。

次に、大統領選のある年の2月から3月に開催されるスーパーチューズデー(Super Tuesday)を迎えます。この日は、大統領予備選挙で最も多くの州が予備選挙や党員集会を同時に実施する〝火曜日〟です。この予備選挙や党員集会の結果により、各党の大統領候補の有力者がはっきりすることが多く、その後の選挙戦の流れが固まっていきます。そのため、候補者たちは、ここでできるだけ多くの代表者を獲得できるための練ります。

さらに、複数州で一斉に予備選挙が行われるので、有権者へのアピール戦略が不可欠となります。また、メディアや一般人にも注目される日となるので、戦い方の分析を決定する重要な指標の一つとなります。

2024年
01月15日 アイオワ州の党員集会(共和党)
01月23日 ニューハンプシャー州予備選挙
02月08日 ネバダ州党員集会
02月24日 サウスカロライナ州予備選挙
03月05日 スーパーチューズデー(テキサス州やカリフォルニア州など数多くの州で予備選挙を開催)

全国党大会

これまでの予備選挙や党大会の状況から、党を代表する正式な候補者を決定します。

06月27日 第1回 大統領候補者テレビ討論会

07月15日〜18日 ウィスコンシン州 共和党大会(共和党の候補者決定)
08月19日〜22日 イリノイ州 民主党大会(民主党の候補者決定)

09月10日 第2回 大統領候補者テレビ討論会
10月01日 副大統領候補者 討論会

② 大統領 本選挙

本選挙

11月05日 大統領選挙 投開票

選挙人538人のうち過半数270人の獲得

さて、ここから本選挙へと突入します。11月の第1月曜日の翌日の火曜日(2024年は11月5日火曜日)が投票日です。事前に有権者登録を済ませた18歳以上の米国市民によって投票が行われます。ただし、直接候補に投票をし全米総得票数で決まるスタイルではありません。全米50州とワシントンD.C.に割り当てられた全米538人の「選挙人(候補者に投票すると誓った、民主・共和両党から選出された538人)」を選び、間接投票で勝敗を決めます。

選挙人の割り当ては、各州2人の上院議員と、人口に応じて配分された下院議員の数の合計です。選挙人が最も多いのはカリフォルニア州の54人で、最少はアラスカ州やバーモント州、ワシントンD.C.の3人です。この538人のうち、過半数である270人の票を獲得した候補者が、次期大統領となります。

得票数によって選挙人を割り振る州もありますが、ほとんどの州では、その州の過半数の支持を得た勝者が、州の選挙人をすべて獲得する「勝者総取り方式」を採用しています。そのため、人口が多く、選挙人数の多い州での勝利が、大統領選の行方に大きく影響します。

スイング・ステートを制する

歴史的に見れば、都市部に強い民主党、農村部に支持される共和党と分けられます。さらに、大半の州での各支持基盤の予測は可能で、民主党の「ブルー・ステート(青い州)」と、共和党の「レッド・ステート(赤い州)」と、党のシンボルカラーによって全米地図を塗り分けていきます。結果として、「スイング・ステート(揺れる州)」と呼ばれる、どちらの支持も拮抗する激戦州での投票結果が、重要な意味を持ちます。そのため、こうしたスイング・ステートでどのような戦略を取るのか。これが、非常に重要なポイントとなるのです。

激戦州7州(選挙人合計93人)

ペンシルバニア州(選挙人19人)
ノースカロライナ州(選挙人16人)
ジョージア州(選挙人16人)
ミシガン州(選挙人15人)
アリゾナ州(選挙人11人)
ウィスコンシン州(選挙人10人)
ネバダ(選挙人6人)

ペンシルバニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州の3州は伝統的に民主党が優勢な州でしたが、2016年の大統領選の際には共和党のトランプ候補を支持したという歴史を持っています。

大統領選2024の主役

大統領候補
民主党 カマラ・ハリス 副大統領(59)
共和党 ドナルド・トランプ 前大統領(78)
副大統領候補
民主党 ティム・ウォルズ ミネソタ州知)(60)
共和党 J・D・バンス 上院議員(40)

《関連記事》歴代アメリカ大統領選の戦績を見てみよう

③ 大統領 就任式

2025年
1月20日 大統領就任式

《大統領選で使える参考資料》
Nielsen
RealClearPolitics
youGov
Reuters-Ipsos
Morning Consult
abc News 538
BBC
Census
The Hill/DDHQ

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