アメリカでもたまごかけごはん(T.K.G.)

アメリカでもたまごかけごはんごを食べたい たまご
アメリカでもたまごかけごはんごを食べたい

T.K.G.(たまごかけごはん)

アメリカでもたまごかけごはんが食べたい。アメリカで生活を始めた日本人であれば一度は通る「T.K.G.(たまごかけごはん)シンドローム」。そう、生たまごをパカっご飯の上に乗せ、お醤油を少し垂らして食べるアレです。映画「ロッキー」では、主人公が大量の生たまごを飲み干すシーンが有名ですよね。たまごの生食はアメリカではNGで、その最大の理由はサルモネラ菌の食中毒です。以前、私も、T.K.G.を食べようとしていた時、アメリカ人の友人に真顔で注意されたのを思い出します。

サルモネラ菌とは?

では、サルモネラ菌とは何でしょう?人や牛、豚、鶏などの家畜の腸内や、河川・下水など自然界に広く生息する細菌です。鶏卵や食肉(特に鶏肉)、うなぎやスッポンなどから感染します。6時間から72時間の潜伏期間を経て感染すると、下痢、吐き気や腹痛、38℃前後の発熱などを引き起こします。2日から7日の間それらの症状が続きます。ほとんどのケースでは症状も軽く、特別な治療もなく回復します。しかし、まれに敗血症、腸出血、髄膜炎などを引き起こし、命を落とすこともあるそうです。重症化した場合の致死率は0.2〜0.5%と言われています。

食肉の中でも鶏肉のサルモネラ汚染率は20%から30%と高く、鶏肉や鶏卵を調理する際には十分に注意し、75℃で1分以上、もしくは65℃で5分間以上の加熱が推奨されています。また、たまごかけごはんに限らず、たまご焼きやオムレツ、手作りケーキやマヨネーズなどからもサルモネラ食中毒に罹る可能性があります。

生食を前提とした日本のたまご

では、サルモネラ菌の感染を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。何よりも重要なのが、たまごを産むニワトリをサルモネラ菌に汚染させないことです。こればかりは消費者側では何もできません。日本では、鶏舎の環境整備、卵殻の微生物検査や品質検査、次亜塩素酸ナトリウム溶液などでの洗浄・殺菌を徹底します。生食を前提としいるため、このような細かな衛生管理が行われるのです。 しかし、アメリカではたまごは加熱して食べるものであるため、こうした配慮はされないのが現状です。

たまごかけごはんに適した「イセのたまご」

数年前まで、アメリカでは「イセのたまご」というものが流通していました。富山県高岡市発祥のイセ食品が1980年から米国展開してきたものです。アメリカでもたまごかけごはんが食べられると、在米日本人ファンも多かったはずです。近年、イセ食品は債権者から会社更生法を申し立てられ、在米日系スーパーからもその姿を消しました。少し調べたところ、2024年2月1日から「たまご&カンパニー」として再出発を果たしています。ぜひ、これを機にアメリカ市場への再進出をご検討頂きたいところです。

「低温殺菌」と「放牧育ち」

アメリカでは、たまごの生食は基本NGです。しかし、マヨネーズやポーチドエッグ、ケーキなど、なまたまごを用いた料理もあります。これらに対応するため、〝低温殺菌処理〟を施した生たまごもアメリカで入手可能です。「Pasteurized Eggs(低温殺菌卵)」というカテゴリーのものです。これらのたまごには「P」のマークが付けられ、一部スーパーやアジア系食材店などで見つけることができます。

ここで注意が必要なのは、「Pasture Raised Eggs(放牧育ち)」、「Pastured Eggs(同じく放牧育ち)」という似た名前のたまごの存在です。これらは、108スクエアフィート以上の、広々ととした良好な放牧環境下で育てられたニワトリが産んだたまごです。しかし、決して低温殺菌処理がされている訳ではないので注意が必要です。

Davidson’s Pasteurized Egg(写真はInstacartより流用)

《関連記事》
たまごのトリビア《100連発》

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました